- le  
ITW Ohara Mariko VO
Commenter

ITW Ohara Mariko VO

Actusf : どうしてSFを書くようになりましたか?
Ohara Mariko : 子供の頃から、怪獣映画(『ガメラ対ギャオス』など)、TVドラマ『ウルトラQ』シリーズ、『宇宙大作戦(スタートレック)』が大好きでした。ティーンエージャーの頃、日本SF(星新一、小松左京、筒井康隆、半村良など)の他、1950年代海外SF(ヴァン・ヴォクト、アルフレッド・ベスター、クラーク、ハインライン、シマックなど)に取り憑かれて、どっぷりSFファンになり、自分でも書くようになりました。

Actusf : SFとファンタジーで重要だと思われる作品のタイトルを挙げてください。
Ohara Mariko : 小松左京『日本沈没』
400万部以上という未曾有の大ヒットにより、それまで文芸の世界で継子扱いだった日本SFが、圧倒的な存在感を示した作品だと思います。
『スターウォーズ』『未知との遭遇』
SFやファンタジーは、見たことがないものを見てみたい、という欲求を満たしてくれるところがありますが、それを見事にリアリティのある映像にして見せた作品。SF小説の一つの役割の終わりの予兆だったと思います。

Actusf : 一番好きな作家は誰ですか?一番好きなSF作品は?SF以外の作品は?
Ohara Mariko : ヴァン・ヴォクト『武器製造業者』
SF以外では、トマス・ハリス『ハンニバル』

Actusf : 作家になったきっかけは?
Ohara Mariko : 1980年、「一人で歩いていった猫」が第6回ハヤカワSFコンテスト(早川書房「SFマガジン」主催)に佳作入選、デビューしました。

Actusf : 自分の作品の中で、どれが一番好きですか?自分の作品の特性(テーマ・モチーフなど)とは何でしょうか?
Ohara Mariko : 『ハイブリッド・チャイルド』
1984年の作品ですが、若い女性の母親からの自立の物語で、ウソ偽りのない作品。当時としては、「子供の自立をくじく悪い母親」というのは斬新だったと思います。
「性」や「身体」にまつわる諸々のことは大切なテーマだと思います。

Actusf : これからの計画は?
Ohara Mariko : 学習し成長する少女ロボットの話を書いています。人とはちがう知性が人間社会にとけ込んで暮らしている、ほんの少し未来の社会です。ただ、この作品は、ロボットが関与することで解決するミステリ+少しオカルトという、ジャンルミックスの作品になりそうです。

Actusf : 日本ではSFを読む人が多いでしょうか?SFとファンタジーの作家は多いでしょうか?
Ohara Mariko : ライトノベルと呼ばれる小説ジャンル(ヤングアダルト向けで、印象的なキャラクターとスピーディなストーリー展開が特徴)では、SF・ファンタジーはたくさんの読者を獲得していると思います。
ファンタジーを含めれば、作家はけっこういます。

Actusf : 日本SFでは、女性の位置はどうでしょう?SFを書く女性の作家は多いですか?
Ohara Mariko : かなり少なく、SFを書く女性作家というだけで特異だと思います。

Actusf : 日本SFでは、文学として、どのような問題・テーマを取り上げますか?
Ohara Mariko : SFのテーマとしては、「ロボット」「遺伝子操作」の2つ。
日本は、アメリカに次いで世界第2位の貧困率の高い国(所得格差が大きい国)になりました。(経済協力開発機構(OECD)の2006年版「対日経済審査報告書」による)。SFのテーマとは限りませんが、文学が扱う大きなテーマとして、格差社会があると思います。

à lire aussi

Genres / Mots-clés

Partager cet article

Qu'en pensez-vous ?